子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

45 子どもたちの近況

長子はこの9月からレセプションに通っている。日本でいう小学校0年生というとかえって意味が分からなくなりそうだが、通っているのは小学校、だけど実際はナーサリーの延長という感じだ。

実際の活動としても、レセプションで過ごす時間の3割がフォニックスなどの勉強系・7割がその他遊びらしいし、宿題もほぼなく、話を聞く限り、ほとんどナーサリーと変わらない(もっとも、宿題に関しては、同じ公立でも学校によっては毎日出ているというところもあるらしい)。

一方で、始業・終業時間がきっちり決まっている(親が送り迎えをする時間が細かく指定されている)、服装の指定がある(白いシャツに黒いズボンなど)、費用は食事も含め全て無料(重要!)、欠席するときは医師の診断書など医学的証拠を提出することが必要な場合がある、遅刻・欠席が度重なると学校から自治体に通報がいき、保護者に罰金を科されることがある、と運営ルールはナーサリーとはかなり違い、小学校に準拠している。

長子は最初のうちは案の定行くのを渋っていたが、1か月もすると、仲良しの友達ができたようで毎日楽しそうに通っている。ハーフタームの前に担任の先生と5分程度の電話での面談があったが、そこでもよく馴染んでいると言ってもらえた。また、学校と保護者のコミュニケーションツールとして、保護者用のウェブサイトがあり、自分専用のページに子どもの学校での様子が分かる写真が不定期でアップロードされるようになっているので、そこから様子が垣間見えて安心している。昨年ナーサリーに行き始めたときは、クラスメイトの名前が出てくるまでに3か月以上かかっていたことを思うと、すごい進歩だ。

親としては、レセプションが始まる前に、英語に関しては他の現地の子と比べて絶対的なハンディキャップがあるので、言語の影響をあまり受けない数字を少しでも伸ばしておいてあげようと思い、夏休みの間に数字の書き方と読み方を教えてたまに一緒に練習したり、”Number blocks”という数字を学ぶための子ども向け番組を見せたりしていたのがよかったと感じている。そのおかげで数字を書くことについては本人も自信を持てたらしく、最初のうちは自由時間でせっせと数字を書いては担任の先生に自慢していたようだ。そのうちに、アルファベットを書くことにも興味を持ちだしたようで、最近では家に帰っても、自主的に数字やアルファベットを書いたり、その日習ったフォニックスを親に教えてくれたりと、なんとなく勉強している感じはある。

日本的な発想だと、まずは弱点の克服をとなっていた気がするが、本人が自信を持てるものを一緒に見つけてあげて、細かいことは言わず好きにやらせるという方法が、(そこまで深く考えていたわけではないが、)長子にはうまくはまったようだ。

 

末子のほうは長子がレセプションに通いだすのに合わせて、ナーサリーに週2日終日通っている。長子が通っていたナーサリーと同じところで、近いが料金は高いのでやや悩んだが、他の近所のナーサリーは空きがないし、そろそろ家族以外の他人と定期的に接することが発達上必要だろうと思い、家計的には若干無理をしつつも、通わせることにした。

末子の場合、登園時に号泣して行くのを拒否するということはないが、しばらくは行くときに泣きそうな顔で抱っこをせがむ(普段はむしろ歩きたがる)、お迎えの時はそれまでどれだけ楽しく遊んでいても号泣しながらこっちに駆け寄ってくるという状態だった。やはり子どもなりに疲れるのか登園日の夜は夜泣きが激しく、落ち着かない様子だった。ただ、当初からナーサリーでもしっかり食事を摂ってきていたし(長子は昨年こちらのナーサリーに通いだしたときは1か月ほど何も食べずに帰ってきていた)、長子と比べると“強い”ので、あまり心配することもなく、馴染んでいっている感じだった。

最近では、ナーサリーでも家庭でも、先生や親が言ったことを真似して復唱するようになり、言語を一気に習得している。「マミー、ティー、プリーズ」ぐらいの3語文まで話すようになって成長に驚いている(ちなみに長子は「ママ」「パパ」と呼ぶが、末子は基本的に「マミー」「ダディー」と呼んでいるのも面白い)。
子どもの成長にとってもよかったが、週に2日だけとはいえ、末子もナーサリーに行くようになり、パートナーの負担も減ったのが非常に大きい。


渡英した時はまだハイハイをしていた子が英語を話し始めているというのは感慨深い。