子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

61 LSE・MPA(キャップストーンプロジェクト②)

キャップストーンプロジェクトについての振り返り。まずは進め方・段取りについて。

 

我々のグループは、基本的には毎週2回、週の前半にやるべきこととその分担について、週の後半に各自の成果について話し合い、2回のうち1回は対面で1回はオンラインで行うことにしていた。しかし、実際は、急遽予定が入ってキャンパスに行けなくなったとか、濃厚接触になったとかが頻発し、加えて、1人がオンラインとなると他の4人が対面だとかえってコミュニケーションがとりづらく、必然的に全員オンラインということになり、対面で会う機会はそう多くなかった。

このコミュニケーションが対面なのかオンラインなのかは他のグループも抱えていた問題のようで、「メンバーで打ち合わせの日時を決めたのに、1人がキャンパスに現れなくて連絡を取ったら、てっきりオンラインだと思ってたと言われた。パンデミック前なら会うと言えば対面が基本でこんなこと起こらなかったのに。」という嘆きを他のグループの友人から聞いた。

 

また、これは当然予期しておくべき問題だったが、私も含め、学期中は他の科目の予復習が忙しく作業が全然予定どおりに進まない。成果報告のときに、「今週は他の授業でプレゼンの準備があってできなかった、今週末にやる」というのはよく言ったし、よく聞いた。また、作業分担を完全に個人単位にした結果、重複する作業が発生したり、詰まったときに1人で抱え込んで時間を空費したりということも起こっていて、もう少し効率的にできたんじゃないかと思う部分もあった。コミュニコーションに不安が残っていたので提案できなかったが、単に作業報告をするだけでなく、作業内容についてディスカッションをする時間があればよかったかもしれない。

 

さらに実感したのが時間の使い方に対するそれぞれの価値観の違いだ。例えば、私の場合は子どもの世話があるので、朝は基本的に打ち合わせなどができないが、夜子どもが寝た後なら、比較的自由に使えた。一方、朝早いのはいいけど、夜は予定があるというメンバーもいて、定例の打ち合わせ以外の時間を合わせるのがかなり難しかった。決定的だったのは、年末年始の過ごし方だ。クリスマスホリデーの間は、他の科目の授業がないから、進捗が遅れていたキャップストーンプロジェクトの作業を一気に進めるチャンスだったのだが、メンバーの1人が12月23日以降はホリデーで年内はもう打ち合わせも作業もしない、年始は1月3日からでもOKと宣言し、私と他の何人かは1月中旬に試験があるから年明けは試験勉強に集中したいと主張した結果、年末年始の3週間近くは作業がほとんどストップしていた。振り返れば、これが本当にもったいなかった。

 

我々のグループは、ミーティングのセッティングやそこでの司会進行などリーダー的ポジションの人を1人に決めず、2人ずつ交代制という形式を採用していた。全員が同じようにグループにコミットするという意味ではよかったが、最後のところでまとめていくのは誰か一人、明確なリーダーが引っ張っていかないと厳しいなと感じる局面も多かった。これが仕事なら明確な意思決定における序列があるが、学生同士というフラットなグループでの立ち回り、動かし方というのも久しく経験していなかったので、英語を使う難しさとは別の難しさを感じた。終盤辺りになると、学部卒後すぐにMPAに来た若い2人と社会人経験がある2人になんとなくグループが二分されていき、私はその間をうろうろしていた。

 

と振り返って書いていくと、もっとこうすればよかったということが思い出されて、ネガティブな印象を与えているかもしれないが、総じて悪くはなかったし、いい経験だったと思っている。