子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

63 卒業式

7月21日に卒業式を迎えた。

卒業式のための準備は実は今年の2月頃から始まっていた。卒業式に参加するための予約、家族などゲストを招待したい場合はさらにゲスト分の席の予約、(有料の)ガウンのレンタルの手配等々。

ゲストチケットは学生1人に対して2席分までしか認められてなく、Whatsappグループでは6月下旬ごろからチケット余ってたら誰か譲ってというやりとりが活発に行われていた。私は、パートナーと子ども2人も来てもらいたいと思っていたが、末子はパートナーの膝に座ってもらって、スタッフに何か言われたとしても何とか交渉してもらおうと構えていた。しかし、いざ当日自分とゲスト用のチケットを受け取りに行った際、チケット余ってたら1枚追加してとスタッフに頼むと、束になっているチケットから普通に1枚追加してもらえた。こんなに余っているなら、最初から3枚売ってくれればいいのに…と正直感じた。

 

卒業式は午後5時からだったが、私は2時間ほど前にキャンパスに行き、上述のチケットの受け取り、レンタルガウンの受け取り、卒業証書の受け取りを終わらせ、キャンパス内をうろうろしながら、コースメイトたちと数か月ぶりの再会を楽しんだ。そして、定刻30分前から会場入り。会場はLSEのすぐ隣にある劇場で、かねてよりなんでこんなところに劇場があるんだろうと思っていたが、どうやらLSEが式典用に持っているものらしい。学長をはじめとした教授陣が入場し、学長の挨拶から開始。ちなみに現在のLSEの学長は女性だ。卒業式は最も幸せな式典、なぜなら結婚式はその後もずっと幸せか分からないし、誕生日は1年年を取ったことの証だからと言った語り口から挨拶が始まった。タームごとに学部長から送られてくるメールもしかりだが、毎度感心するのは、こういった挨拶が日本のよくある定型文の組み合わせという感じではなく、挨拶する人の人柄が滲んでいるような本当によく考えられた挨拶であるということ。

そして、その後は各学部長が学長に卒業者を推薦するという形式で、卒業生一人ひとりが登壇し、学部長に名前を呼ばれたら檀上中央の学部長のところまで歩いていき、卒業証書用の丸筒を受け取る。学部長が声を枯らさず、そして多国籍ゆえに様々な発音が混ざった卒業生全員の名前を淀みなく読み上げ切ったのにはちょっと感動した。SPPはMPAだけでなくMPPも含まれるので、卒業生は優に200名近くいる。事前にどのくらい準備の時間をかけたのだろうか。大学の卒業式は、代表者1名か2名だけが名前を呼ばれて受け取っただけだったので、あまり卒業の実感がなかったが、檀上に上がって丸筒を受け取ったとき、ついに卒業したのだとしみじみと感じた。成績優秀者は名前を読み上げられる前に、その旨紹介され、他の卒業生やゲストからひときわ大きな歓声をもらっていた。私は箸にも棒にも引っかからなかったが、私の前後で成績優秀の紹介をされた学生がいなかったのがせめてもの救い。

 

その後は、レセプションがあり、軽食と飲み物が用意されていたが、子どもたちが食べられるようなものがあまりなく、夕飯の時間もとっくに過ぎていたので、少しだけ顔を出して、早々に退散。帰り道で長子に、来てくれてありがとうと声をかけたが、彼らにとっては遅い時間の退屈な式典に来てくれたことだけでなく、そもそも、ロンドンについて来てくれたことが本当にありがたかった。