3 LSE・MPAについて③(Michaelmas Term前半)
他の多くの大学院と同様、LSEの1年間は以下のように区分されている。
Michaelmas Term(9月28日~12月11日)
※Reading week: 11月2~6日
Lent Term(1月18日~4月1日)
※Reading week: 2月22~26日
Summer Term(5月4日~6月18日)
現在、Michaelmas Term(MT)のreading weekなのでMTも半分が過ぎたことになる。そう考えるとこの5週間、自分が何を成し遂げれたのかと不安になる。
MPAは1年で4unit、2年間で8unitを取得することが卒業要件となっている(半期のものは0.5unit、通年のものは1.0unit)。1年目は4unitのうち、原則以下の3科目(3unit)が必修となっている。
基本的にどの科目もレクチャーとそれに関する質疑応答はオンラインで行い、セミナーは対面(ただし、まだロンドンに来ていない学生は彼らだけで別グループを作りオンライン)で実施されている。これに加えて、希望者向けにSupport classがあったりするので、科目によるが1科目当たりだいたい週4時間ぐらいは授業に参加し、さらに課題や自習があるという形だ。
ちなみに課題はIntroductory course同様、あらかじめ割り振られたグループで共同して問題を解くこととされている。あまり社交的ではない自分としては、ある種強制的なこのグループにすごく助けられている。
それぞれの内容は以下のとおり。
①PP440 Micro and Macro Economics (for Public Policy)
ミクロマクロ経済学。MTはミクロ経済学を扱うことになっていて、完全競争市場における均衡とか市場介入など比較的基本的なことから学んでいる。私は経済学部卒ではないが、就職活動のときに少し経済学をかじっていたので、その時のことを思い出しつつ、半分は英語のお勉強(deadweight lossって死荷重のことか、そのまんまだなとか)という感じだ。
大学で経済学を学んだ人にはおそらく物足りない内容かなと思うし、実際、Introductory courseの期間中に希望者を対象に試験が実施されており、合格すれば受講が免除されて他の科目を選択できるようで、受けていない同級生が何人かいる。
正直、他の科目がとても難しいので、この科目は私にとって数少ない癒しとなりつつあるが、いくつかの経済学系の科目は受講要件に、この科目で一定の成績を残していることをあげているようなので、来年の科目選択の意味でも気は抜けない科目だ。
②PP455 Quantitative Approaches and Policy Analysis
いわゆる統計学で、内容は、単回帰分析・重回帰分析など基礎にあたるものだと思うが、私を含め多くの学生にとって鬼門となっている科目だ。レクチャーでは概念的な説明をして、STATAというソフトを使って実際のデータを分析することが課題で求められ、セミナーでは課題の解説をするという流れだが、STATAについての説明は最低限で、あとは自分で調べてというスタンスなので、グループで課題を解くときはみんなでこんなの授業で習ってないよねと文句を言いつつ、Googleを使ってそれっぽいコマンドを必死に探している。
ただ、経済学同様、英語だけでなく数字が出てくるという点で、英語力が低い私としては、まだグループに貢献できるので、その点では救われている。
③PP478 Political Science for Public Policy
政治学。国家とは何かから始まり、民主主義・権威主義などについて学んでいるが、とにかく言葉ばかりなのでついていくのが大変。最初のうちは、セミナーでみんなが議論していることが本当に何も分からなくて、すごくみじめな思いをした(いまでもまだ議論についていけていると胸を張れるレベルではないが)。reading weekが明けたらMTの間にグループプレゼンを2回しなければならないので、その準備をまさに今しているが、いろんな国から来ている同級生たちを前にすると、これまであまり世界(特に中東やアフリカ、南米)の政治に興味を持っていなかったなと改めて実感する。
なお、印象的だったのが、1回目の講義が、なぜ政治学を学ぶのか、政治学は科学なのかというテーマだったことだ。先人のブログで政治学は学生の評判があまりよくないという話を聞いていたが、大学側もそういった学生の反応を多少意識しているのだろうか。
④PP4X6 Welfare Analysis and Measurement
選択科目で、福祉や所得の分析を扱っている。ジニ係数やエンゲル係数が出てくると言えば、伝わるだろうか。(わざわざ選択したので当然だが)私が一番興味を持っている内容ではあるが、いま履修している中では一番タフな科目だ。英語が分からないというのではなく、言語の壁がなくても理解するのが大変なんだと思う。それでも、やはり興味があるというのは一番強い学習動機なので、打ちのめされながらなんとかついていっている。
私の高等教育歴は、日本の大学(学部)しかないので、これが大学院一般なのか、英国一般なのか、LSE特有なのかは分からないが、全体として、決まった答えを与えるのではなく、材料を与えてあとは自分で考えてというスタンスで、最初はかなり戸惑った(いまもまだ慣れたとは言えないが)。
ある教授に質問した時、"Google is always your friends"と笑顔で言われ、そのときはなんかかっこいいなと思ったが、改めて考えると、日本語で言うところの「ググれカス」ぐらいのニュアンスなんじゃないかと思い、ざわざわした。
いずれにせよ、主体的に考えるというのは学習の本質ではあるし、高いレベルの中で勉強できるのはありがたいことなので、しっかりと自己研鑽したい。
かなり長文になってしまい、それでも駆け足だったが、とりあえず、一通りの振り返りはできた。
reading weekの間、余裕があれば、IELTSや渡航までのこと、ロンドンでの生活立ち上げなどについても、記録できればと思う。