子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

4 ロンドン生活①(医療)

大学の話を続けたので、今回はロンドンでの生活について。

  

英国はNHSという国民保健サービスがあるので、基本的に無料で医療を受けることができる。ただし、ビザを取得して長期間英国に滞在する場合は、ビザ申請時にNHSの費用を支払う必要がある。

私の場合、2年間の滞在で費用は約10万円、そしてこれが家族4人分。ちなみに、昨年英国に来た友人は半額以下だったとのことで、おそらく新型コロナウィルス対応で費用が上昇していると思われる。

  

そして、入国後、住まいが決まったら、GP(いわゆる「かかりつけ医」)の登録をする必要がある。英国では日本と異なり、患者が自由に医療機関を選択して受診することはできず、予め登録したGPしか受診できない。

 GPの登録方法は、NHSのHPで近所の医療機関を探し、直接、医療機関に申し込むという流れだが、ここが難所だった。医療機関のHPをいくら見てもGPの登録方法は分からず、意を決して電話をしたところ、何を言っているのかほとんど聞き取れない、しどろもどろで話していると、「他に英語できる奴と代われ」と言われて、心が折れかけた。

なんとか意思疎通を図ったところ、その医療機関は予約は不要で直接行けばいいとのことだったので、家族全員で行き、その場で渡された申込用紙に必要事項を記入すれば終了(問診などは一切なかった)。

 基本的には、名前年齢住所と言った基本情報の他、既往歴や家族歴を書くだけだが、子どもは予防接種歴を申告する必要がある。日本の母子手帳(ちなみに英国ではred bookと呼ぶらしい)の写しを渡せばいいが、日付の表記が日本と英国では違うので補正を求められた。

具体的には、英国だと日月年の順での表記が一般的だが、日本では年月日の順、しかも受診した医療機関によっては元号表記なので、これを直す必要がある。予防接種名は日本語と英語が併記されているので、難しい専門用語を翻訳する手間はないのが救いだが、予めこの作業をしておけば医療機関での手続きがスムーズだった。

 書類提出後、1週間ほどでNHSナンバーが郵送されてきて、これで晴れて登録完了。子どもの予防接種は無料で接種できるので、これから申し込みをする予定だ(無事にできればいいが)。

  

なお、海外長期滞在期間中、日本の民間医療保険に加入するケースも多く、私も家族全員で加入した。保険料は保険会社や補償内容次第だが、2年間で1人数十万円はかかる(4人だと3桁)。英国の場合、NHSを利用できるので、民間医療保険に入らないという選択肢もあるが、ロンドンには、日本語対応の日系病院がいくつかあり、民間医療保険に加入しているとそれらを「無料」で受診できる。費用面を考えるとかなり悩んだが、最終的には、私自身、英語に自信がないことに加え、パートナーはほとんど英語が話せないことを考慮し、加入することにした。

  

最後に、NHSでも民間医療保険でも、歯科治療は対象外となることが多く、費用が高額になるので、渡航前に必要な治療を終えておくことを強く勧められた。私は親知らずを3本放置していたので、これを機に全て抜いたが、それなりに時間がかかるので、海外留学をされる方は計画的に歯科治療を受けることをお勧めする。