子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

26 コミュニケーション

今週前半は天気がやたらよく、最高気温も20度を超えるような天候だったが、課題の〆切直前だったこともあり、課題が終わったら満喫しようと家に引き籠っていたところ、その後は気温もどんどん下がってしまい。最高気温も10度前後とまた寒くなってしまった。

天気がいいときを逃すべからずがロンドンで生活する上では重要なマインドだと思う。

 

昨年、ブログにも書いていたが、GPで子どもたちの定期予防接種をし、その際、年明けに再度来るように言われていた。

 

takino20.hatenablog.com

 

ただ、この予約をするのに電話で四苦八苦した苦い記憶や、その後、すぐにロックダウンになったりと気が進まず、しばらく放置していたら、GPの方から電話とショートメッセージで予約を取るようにと督促の連絡が来た。日本だと自治体によっては、接種時期が近づくと問診票が送られてくることもあるものの、基本的に病院から直接連絡が来るということはないので、この違いも新鮮で面白いと思った。

 

そんなわけで重い腰を上げ、GPに電話したところ、以前よりもスムーズに予約が取れた。別の場面でも配達業者に電話をしなければならず、気が進まないなぁと思いつつ電話をしたら思ったより通じて、流石に渡英して半年も経つと英語力が上がったのかなと最初は少しいい気分になった。だが、少し落ち着いて考えてみると、おそらく英語力の問題ではなく、文脈の理解度の問題だなと気づいた。

例えば、GPの予約をする際、最初に聞かれるのは「Date of Birth」つまり生年月日。最初は、NHS番号や名前を聞かれるのかなと構えていたので、Date of Birthが全く聞き取れなかった(電話を受けたレセプションもネイティブではなさそうだったというのも影響していたと思う)が、2回目以降は何を聞かれるのかが分かっているので、リスニング力が上がったかどうか関係なく、スムーズに理解できたのだと思う。

また、英国では子どもの予防接種後にCalpolという解熱剤を予防投与するのが一般的らしく(子育てをしている英国人のクラスメイトに定期予防接種に行ったと話したら、じゃあCalpol飲ませた?と聞かれたぐらい)、初回は看護師からいろいろ説明を受けたが、そもそもCalpolって何?という感じで何度も説明してもらってようやく理解できたが、今回はCalpol?OK!ぐらいの感じで終わった。

  

この話は外国語か母語かにかかわらず発生する問題だ。例えば、日本でコンビニを利用した際、「レジ袋ご利用ですか?」とか「ポイントカードはお持ちですか?」など定型のやり取りがあるが、多くの人は、実際には聞いて理解しているというより、文脈で判断して理解しているからやりとりがスムーズに進んでるのだろうと思う。仮に想定していないようなやりとり(いい例が思いつかないが、例えば生年月日を教えてくださいとか)が発生したら、多くの人が聞き返すことになるだろう。

  

3月は特にグループワークが多く、そのことはまた別途記録したいと思っているが、グループワークで辛かったのが、こっちの伝えたいことが本当にちゃんと伝わっているのか、向こうが言っていることをこっちはちゃんと理解できているのか、に確信が持てないまま議論に参加し続けることだった。そのこと自体は多分に私の英語力の問題ではあったが、一方で、共通の文脈の中で議論できているのか確信が持てなかったというのも少しばかりは影響していたように思う。

日本語で他人と会話しているときは、お互い理解しあえているという確信があったわけだが、それは共通の母語でコミュニケーションを取っているという以上に、共通の文脈の中でコミュニケーションを取っているということに依っている。そして、当然、共通の文脈の中でコミュニケーションを取っているというのは、お互いそう想定しているだけで、案外文脈を共有できていなくて、コミュニケーションの齟齬が生じるということはままある。

 

 

子どものことを書こうと思っていたのに、1本の電話から感じたことを徒然に書いていたら、子どもには全く触れずに終わってしまった。


ちなみに末子はこれでこちらにいる間の定期接種は終了、インフルエンザの予防接種も次のシーズンからは経鼻でできるので、注射はもうしなくていい。