子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

23 reading week

つい数週間前まで雪が舞ったり、最高気温0度だったりとかなり寒かったが、先週あたりから最高気温が10度を超えだして、かなり暖かくなってきた。2月16日はパンケーキデーと言って、復活祭(イースター)前に40日間行う断食に備えて、牛乳や卵を消費する(あるいは滋養をつける)日だったようで、長子はナーサリーでパンケーキを食べてきたようだ。長かった冬もあともう少しの辛抱という時期なのだろうか。

 

早くもLTも折り返しで今週は前学期同様、reading weekとなっている。ただ、これも前学期同様、PP455の授業だけは変わらずあるので、結局月曜から水曜までは毎日1・2時間程度授業がある。全科目足並みをそろえてほしいというのが正直な感想。

 

そのうえ、3月中に〆切のある課題について、ありがたいことにreading week前に発表が行われたので、ロックダウンしているかどうか関係なく、MTのreading weekほどはのんびりできない気がする。

 

課題はざっと以下のとおり。

PP455:

World BankのEnterprise Surveyから任意のデータを参照して分析を行い、興味深い発見をしてA4・4枚以内でレポートをまとめよ

PP440:

任意の国を選んで、そこに新しく着任した財務大臣に報告する形式で、マクロ経済における主要な3つの指標の長期・短期の状況を説明するとともに、新型コロナウィルスのパンデミック終焉後に予想されるマクロ経済上の懸念についてA4・2枚以内で説明せよ

WAM:

与えられた教育や職業に関する図表について解釈を述べよ(試験問題のような感じ)

 

PP440は前学期と同様だが、PP455の方はこれまでのとは少し毛色が違う。どのデータをどう分析するかを決めるまでが結構大変そうな気がするが、これこそ実践的だという気もする。しかし、残念ながら日本のデータはないので、どの国のデータを使うところから少し考えないといけない。

 

このほか、先日から行っているPP478のpolicy memoがあり、また、3月にはPP478でプレゼンを2回行う必要があるので、その準備も進めていくという状況だ。こういうとき、もちろん理想は一つずつ集中して片づけていくことだが、昔からそれが苦手で、一つのことをやりながら他のことも気になるという質なので、正直、ちょっと憂鬱だ。もっとも、それも鍛錬だと思ってやるしかないのだが。

 

 

英国(人口約6,600万人)での新型コロナウイルスの新規感染者数は、1月上旬は1日当たり5万人超、死者数も1,000人超という日が続いていたが、直近では新規感染者も1万人程度、死者数も数百人というところまで落ちてきている(なお、累計感染者は400万人超、累計死者数は12万人超)。

また、ワクチン接種も12月から始まりだして、現在のところ医療・介護従事者と70歳以上の高齢者計1,700万人が接種完了、4月中旬までには50歳以上の全員+基礎疾患などがあるハイリスクの若者に接種をするという予定とのこと。

 

この勢いなら早々にロックダウンを解除するかなとも思っていたが、本日(22日)、ジョンソン首相から発表された出口戦略では、3月8日から子どもたちが(オンライン授業から)学校に戻っていいとされた一方で、必要不可欠な業種以外の業種の営業再開は4月以降、屋内で6人以内が集まっていいのは5月以降、完全規制解除は6月以降とかなり段階的に緩めていくことになっている(詳細はこちらを参照)。

What's the roadmap for lifting lockdown? - BBC News

 

現在、3度目のロックダウンをしているわけだが、これを最後のロックダウンにする(後戻りしないようにする)ということだろう。しかし、これからどんどん暖かくなっていくと、市民の気が緩むというか、我慢も限界にならないか心配だ。現に、1月に積雪があったときには、雪合戦を企画して30人以上の人を公園に集めた若者が1万ポンドの罰金を命じられたと報道があった。

 

結局のところ、人間は非合理的な存在だから、科学的に正しいとされたことを全員が全てそのとおりに実践できるわけではないし、いくら刑罰を科したところで他人の行動を制限するのは一定の限界がある。科学的な正しさと社会生活との接点を見出していくことがpublic policyに求められることであり、私がここで学んでいる意味なんだろうなと思いつつ、とりあえず、そのことと直接つながっているのかどうかはよく分からないデータや論文とにらめっこをしている。