子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

2 LSE・MPAについて②

LSE全体の新学期は9月28日からだったようだが、MPAは9月14日から2週間、Introductory courseが提供されており、9月14日が事実上の新学期開催だった(ちなみに例年夏に開講しているpre-school(語学クラス)は中止だった)。

今年については、新型コロナウィルスの影響により、Introductory courseは全てのプログラムをオンラインで実施するとアナウンスされており、私はその時点でまだビザが届いていないため、日本からオンラインで参加した。

 

冒頭、オリエンテーションなどをやったのち、統計学入門の授業(必修)を全員受け、合間にオンラインで各種ソーシャルイベント(選択)が行われるという流れだった。統計学入門の授業は、事前にオンライン上でアップロードされている講義を見て、課題を解き、10数人規模のセミナーで課題についての解説を受け、全員参加のQ&Aセッションに参加するという流れであった。

 

このとき、印象的だったのは、課題について、個人ではなく、あらかじめ割り振られた4・5人程度のグループで共同して解いて、グループとして回答を提出するようにと指示されていた点だ。最初のうちは、微分など高校数学の内容だったが、中身以上にそれを英語で説明することが大変だった… また、グループのメンバーがそれぞれ違う地域にいたため時差がある中、Zoomミーティングの時間を設定する必要もあったため、正直、個人でやった方が早いのにと感じる部分もあったが、これも「コミュニティ」づくりを意識した大学側の措置なのかなと受け止めた。同じグループの同級生の数学のレベルは、この間まで学部で経済学を学んでいたという人からもう何年も数学はしていないという人までバラバラだったが、それぞれが自分のやり方でグループに貢献しようとしたり、お互いにサポートしあったりという姿勢が垣間見れたのも、グループワークでよかったと思った点だ。

 

また、授業の後半は統計学の基礎(T検定など)だったが、講義では統計の意義や概念的なことしか説明していないのに、課題ではいきなりP値を求めよ、などといった問題が出るため、グループメンバーと散々文句を言いながら、googleで調べ調べ解くという形だった。最初は、講義を担当している講師の個人的な資質の問題として受けとっていたが、のちのちこれがLSE(英国大学院?)スタンダードなのだと思い知ることになる…

 

Introductory courseの2週間は、ちょうど渡英の準備期間と被っていたため、(かなりの部分パートナーに依存していたが)日中は片づけや各種手続きをし、夕方からオンラインで授業に参加するという二重生活状態、しかも終盤は子どもを連れてホテル生活に移行というバタバタの状態だったため、あまり新学期が始まったという高揚感も充実感もないまま、過ぎ去っていったという印象だった。