子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

32 LT振り返り(Econometrics)

PP455 Quantitative Approaches and Policy Analysis

 

LTでは、因果推論のためのRandomized controlled trial (RCT), Panel Data (Individual and Time Fixed Effect), Matching, Difference-in-Differences (DID)Estimation, Instrumental Variables (IV), Regression Discontinuity Design (RDD)、そして政策評価のためのCost-Benefit Analysisを主に扱った。正直、MTの間は何をしているのかよく分からなかった部分もあったが、LTでこれらを扱って(というか試験前に復習をして?)、ようやくこの科目全体で何を目指していたのか分かってすっきりした。その辺りは時間があれば、別途まとめておきたいと思う。

 

授業の基本的な進め方はMTと同じだったが、講義の担当教授は変わった。一見すると好々爺と言う感じの教授だったが、率直に言ってあまり評判は芳しくなかった。学期始まってすぐ、例によってインド出身のクラスメイト達が質問しまくったところ、質問を途中で遮って喋りだす、質問内容を逆に問い質す(何が聞きたいのか)、質問の前提が間違っていると否定するといったことが続いた。教授は、あなたの発音が問題なのではなく、質問内容をはっきりさせたいだけだと言ってはいたが、一方で欧米のクラスメイト達が質問した時にはそういったことがほとんどなかった分、少し引っかかりを覚えた。

もっとも、私の英語力では、クラスメイト達の質問内容を全て理解できていたわけではないので、教授の応答の違いが質問内容に依るものなのか、それ以外の何かに依っているのかは判断できなかったが、学期終了間際に、恒例のクラス運営に対する匿名のアンケートの案内が来た時に、アメリカ出身でよく授業中に質問をするクラスメイトが、「もっと質問しやすい雰囲気を作ってほしいと回答したよ」と苦笑いしながら話していたので、質問しづらい雰囲気だったのは確かだ。実際、学期中盤以降は、講義中に質問する学生の数やQ&Aセッションへの参加者数が減っていて、教授がQ&Aセッションの時間を持て余すこともあった。

 

毎週の課題をグループで解く(グループは学期の前半と後半でシャッフルされる)というのはMTと同じだったが、Stataを使う場面がやや減った気がした。PP440と違って、こちらはすぐにグループの割り当ても行われ、オンラインで週1回集まって一緒に問題を解いていた。ただ、学期の後半からグループが新しく割り当てられた際、ちょうど他の授業のプレゼンなどで忙しく、そのうち誰かがいつ集まるか決めようと声を上げるだろうと放置していたら、結局、一度も集まることなく学期が終わった。自分が声を挙げればよかっただけなのだが、ただでさえ少ないクラスメイト達と話をする機会をふいにしたのは、今にして思えば少しもったいなかったかもしれない。

 

最後に、MTとの最大の違いは、グループプレゼンテーションがあったことだ。学生からもアイディアを募集し最終的に講師陣が決めた約20のテーマから、各自希望するものを選び、4・5人のグループで学期最終週にプレゼンするというもの。テーマは、「ドイツにおける砂糖税の導入と肥満の減少をどのように評価するか」、「牛肉の消費量がどのようにアマゾンの環境破壊に影響しているか」といったものがあった。

以前の記事にも書いたが、タイムゾーン関係なく各自が選んだテーマでグループが決まるので、集まるのがなかなか大変だったが、私のグループは比較的うまくいったような気がする。前述のとおり、学期の後半で課題を一緒に解くグループが機能しなかったこともあり、試験前にはこちらのグループで各自が解いた過去問の回答案を交換したりとグループプレゼンが終わった後も多少なりともつながりができてよかった。