子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

46 ストライキ

今週でMTが終わった。振り返りとかもしたいが、その前に学期中に書こうと思っていたことを記録しておく。

 

先月末にロンドンの地下鉄でストライキによる運休・減便があった。HPをいくら見ても自分が通学に使う路線が運休なのか減便なのか前日の夜でもよく分からず、仮にバスを使うとなったら普段の倍以上の時間がかかりそうだったので、長子を学校に送るのはパートナーに任せ、早めに家を出た。

結果的にはその路線は減便だけで、かつ、休日ダイヤ並みには動いていたので、あまり影響を受けずに通学できた。ただ、中心部を走るいくつかの路線は完全に運休したようで、バス停には長蛇の列、歩道も歩行者でごった返しと街中はいつもとは違った様相だった。

ちなみに、少しでも運行情報を入手しようとTwitterの書き込みも見たが、tubeの運転手は年収〇£ももらっているのに、まだ足りないと言っているらしいといったストライキに批判的な意見が多かった。

 

今月にはいって、今度は、大学でストライキが発生。University and College Union (UCU) という全英規模の大学教職員組合が年金や給与における性・人種・障害などに基づく格差是正などを求めてストライキを実施することを決定し、LSEに在籍する組合員も授業のボイコットあるいはボイコットはしないが授業外の活動(オフィスアワーなど)を提供しないという行動を3日間にわたって実施した。

といっても、組合員以外の教職員はストライキに参加しなかったので、ほとんどの授業は通常どおり行われ、大学からの連絡でも、これに参加するのは一部の(上級職の)教職員のみでほとんどのスタッフは通常どおり業務を行っていることが強調されていた。実際、私も履修3科目中1科目のセミナーがなくなっただけで、それ以外の影響はなく、その1科目がなければ、ストライキが行われているなんて気づきもしなかったのではないかと思う(普段から、大学の連絡は読み飛ばしがち…)。

 

これまで日本で生活していて、直接的にストライキの影響を受けたことはなかったので、実際にストライキを実施できる程度に労働組合が機能しているのには少し感心したものの、その盛り上がらなさ加減を見ると少しいたたまれない気持ちになった。

 

サービス利用者側からするともちろん、ストライキなんかなく、いつもどおりのサービスを提供してもらった方がいいに決まっている。しかし、既存の労働組合がその役割を果たせなくなりつつある一方、新しい動きが興隆するわけでもなく、結局、資本家のワンサイドゲームとなっていくさまを見せつけられたような、というのは少し大げさだろうか。

 

 

f:id:takino20:20211212051859j:plain

ストライキ、と言ってもいくつかの主要な建物の前に腕章のようなものをつけた何人かがうろうろしながら安っぽい看板を立てているだけ。