子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

35 ロンドン生活④(雑感)

学期も終わり、ロックダウンも緩和されてきているため、最近は外出する機会も増えたので、その中で感じたことを書き留めておく。

 

 

まず、渡英前から聞いていた英国(欧州)の方が日本より子育てしやすい雰囲気だという言説について。確かに、電車内や街中で子どもに手を振ったり微笑みかけてくれる人は多い。日本でのそうした経験はほとんどが高齢女性が相手だったが、こちらだと男性でもそういう人と出会う。あと、子どもに反応してくれる店員は、圧倒的にロンドンの方が多い。東京だと無関心というか、良くも悪くもプロフェッショナルな対応が多いという感じ。

逆に子どもに対して、ネガティブな対応(ベビーカーで電車乗ろうとすると舌打ちされるなど)も皆無だが、幸い、我が家は東京でもそういった経験をしなかったので、一概には比較できない。

 

ベビーカーで移動しているときに階段の上り下りや電車の乗り降りを手伝ってくれるという話については、実はまだそういった経験はない。前提として、ロンドンの地下鉄は東京の地下鉄に比べて圧倒的にエレベーターがないところが多い。東京で生活していたとき、もっと便利なところにエレベーター作ってくれないものかと改札からはるかに離れたところまで移動していたが、こちらに来てから、あるだけでもありがたかったと思う。

駅にエレベーターがあるかどうかはアプリで簡単に確認できるので、移動時にエレベーターがない場合は、ベビーカーではなく抱っこ紐・ヒップシートを使うことが多く、誰かの助けを必要とするという場面がそもそも少ない。他の子連れを見ていると、その場に誰か居合わせたら助けてもらっているときもあるが、近くに誰もいないと、子どもを先に抱っこして階段下におろしてからベビーカーを取りに戻っている人や、子どもを乗せたままベビーカーの前車輪を浮かせて階段を無理矢理降りている人を見かけたりもする。

 

 

次に子育てとは厳密には関係ないが、博物館・美術館について。

ロンドンで実は一番感動したことは、ほとんどの博物館・美術館の常設展が無料であること(特別展はさすがに大抵有料)。日本だと無料と言うことはまずないので、貧乏性の私は、お金を払って行ったら元を取らないとと思ってしまうが、こちらだと無料なのでふらっと行って、全然回り切れなくてもまた次来ればいいやと気楽に見られるのがいい。

ただ、無料な分、館内案内の地図はまずもらえない。カウンターには置いてあるが、よく見ると5£とか書いてある。そして、これでもかというぐらい寄付をしてくれと書いてある。いまは新型コロナウイルスの影響で無料でも事前にチケットを取る必要があるが、ホームページにも書いてあるし、チケットを取るときには寄付金を払うという選択肢が絶対出てくるし、館内も入口には必ず寄付ボックスがある。ちょっと感心したのは、寄付すらも電子化していて、寄付する人が端末を操作して金額を変えられたり、端末ごとに金額が違ったりしたことだ。

館内は、日本ほど静寂と言う感じでもなく、また、大抵の場合、男女両方のトイレにオムツ替えできる場所があるので、子どもを連れて行きやすいのもありがたい。

 

一方で、水族館と動物園の料金は東京に比べると高い。例えば、London Zooの料金は大人30£弱、子ども20£弱と、上野動物園の大人600円、中学生以下無料と比べるとかなり高額だ。ロンドンに来る前から、大人600円の入園料で動物の餌代はちゃんと賄えているのかと少し心配するレベルではあったが、一方で、大人30£となると、そうそう気軽に行ける値段ではない。

ちなみに、入場料金がかかるところはたいてい学生割引をしていて、有効な学生証があれば誰でも学生料金で入れるので、私もせっせと利用している。だが、入場のときにこれまで一度も学生証の提示を求められない(もちろん、求められたら出せるように財布には入れてある)のは、さすが英国のサービスだと思った。

 

最後に、ロンドンで一番嬉しかったのは、スタバなど大抵のカフェで”ベビチーノ”と呼ばれる赤ちゃん向けのホットミルクが無料又は低額(50p~1£)で買えることだ。日本だとジュースぐらいしか選択肢がなく、しかも子どもが飲むにしては量が多すぎる。最近、末子がみんなと同じものが食べたい・飲みたいという感情が出てきているので、(入れ物の大きさは全然違うが)一緒だねーと言いながら飲むとご満悦なので重宝している。