子連れLSE留学記(英国大学院留学)

2020年から子連れでLSEに留学している筆者の記録

58 子どもの学校教育(宗教系学校)

以前書いた通り、長子は昨年からレセプションクラスで学校教育を受けている。
フォニックスやアルファベットは一通り習い終わり、たどたどしながらも短い文章を読んだり書いたりできるぐらいにはなっている。

 

ところで、長子の通っている学校はカトリック系の学校だ。家から一番近いし、私自身、日本で通っていた幼稚園はカトリック系だったので、まぁ別にいいかというぐらいの気持ちで決めた。申し込みの時点で、本校はカトリック精神に則って教育を行うのでそのことを承知の上で申し込むようにと念押しがあったり、定員に地域枠と教会枠があったりと申し込む前から結構本格的そうだなと思っていたが、実際に学校が始まるとそれをすぐに実感することになった。

 

まず宿題。他の学校では毎日簡単な宿題が出ているという話も聞く一方で、学期開始直後からしばらく全く日々の宿題がなかったが、最初にあった宿題がRE(regional education)の宿題で「神の創造物について学ぼう」と題し、葉っぱや鳥の羽、果物の種など指定された身の回りのものを集めて持って来るというものだった。神の創造物という表現にかなり戸惑ったのをいまでもよく覚えている。
当然、クリスマスは一大イベントで、1か月前ぐらいから讃美歌の練習をしたり、Nativity(キリスト降誕)について習ったりしていて、家でもよく話をしていた。

 

寝かしつけの際、消灯した後、急に「Godが世界を作ったんだよ」と言い出したときはぎょっとしたが、個人的にはキリスト教についてしっかり習うのは悪くないなと感じている。
というのも、観光で大聖堂など宗教施設に足を運ぶ際、去年までは露骨に退屈がってつまんない、早く次に行こうと不満たらたらだった長子が、ここ最近ステンドグラスを見て「jesus died on the cross」だねなど学校で習ったものを見つるなど、本人なりの楽しみ方を見つけているからだ。

 

また、宗教教育を行っている一方で、科学的なことはそれはそれできちんと教えているようで、サマータームには太陽系を習い、今日はDwarf planet準惑星)について習ったよと報告してくれている。習っていると言ってもyoutubeで動画を見るぐらいのようで、どの程度理解しているかは若干怪しいが、準惑星なんて言葉、日本の小学校1年生はまず知らないだろうから、進んでいると言えば進んでいる。ちなみに、receptionで太陽系について習うのは他の学校でも同じようで、個人的には地動説を早い段階できちんと教えるのが目的ではないかと邪推している。

動画はこういったものを教室で見ているらしい。やたらと耳に残る。

The Dwarf Planet Song - YouTube

 

それと、カトリックと関係しているかは不明だが、ここ最近は手話(British Sign Language)を定期的に習っているようで、家でも披露してくれる。アルファベットとか他にもっと教育的なことをしてくれてもいいんじゃないかという気もするが、日本だと習う機会はあまりないだろうし、これも個人的にはいいことだと感じている。実際、先日街中で手話を使っている人を見かける機会があり、長子も「あの子(長子は大人も子どもも区別なくあの子と呼ぶ)、Sign Language使ってるね」と言っていた。

 

留学期間中という限られた間だけで日本に帰れば普通の学校教育を受けさせるという前提があるからという部分は大きいが、キリスト教・手話と日本ではあまり機会がないだろうことに触れる機会があるのは、子どもの見聞を広める意味で悪くないと感じている。